糖尿病は、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が異常に高くなる病気です。糖尿病には主に2つのタイプがあり、「インスリン依存型(I型)」と「インスリン非依存型(II型)」に分けられます。
インスリン依存型(I型)糖尿病:ウイルス感染や自己免疫によって膵臓が破壊され、インスリンが作られなくなることで発症します。全体の約5%がこのタイプです。 インスリン非依存型(II型)糖尿病:遺伝的要因に加えて、食生活の乱れ、運動不足、ストレスなどが原因で発症する糖尿病で、全体の約95%を占めます。
糖尿病は、神経障害、網膜症、腎症、動脈硬化症などの深刻な合併症を引き起こすことがあり、放置すると命に関わる危険な病気です。早期の治療と対策が重要です。
当院では、運動療法や食事療法を中心に、内服薬やインスリン注射を用いた薬物療法を行っています。
不整脈とは、心拍数や心臓の鼓動が不規則になる状態のことを指します。不整脈が原因で脳梗塞、心筋症、弁膜症などを引き起こし、場合によっては突然死の原因にもなり得ます。不整脈の主な症状には、動悸、めまい、失神、胸部の違和感、息切れ、胸痛などがありますが、時には自覚症状がない場合もあります。
まずは、心電図などの検査で不整脈を診断します。治療としては、抗不整脈薬を使用して不整脈を抑えたり、脈拍をコントロールすることが一般的です。また、必要に応じてペースメーカーや植え込み型除細動器の導入といった外科的治療が必要な場合には、信頼できる近隣の医療機関をご紹介いたします。
骨粗鬆症は、骨に小さな穴ができ、骨がもろくなる病気です。これにより、背中が曲がったり、痛みや骨折が起こりやすくなります。進行すると寝たきりになる可能性もあるため、症状が現れた場合は早期の治療が非常に重要です。
治療は、性別や病気の進行度に応じて、内服薬や注射を使用します。また、骨密度を増加させるため、食事療法を併用することもあります。日常生活での予防も大切であり、当院では骨密度測定や予防の指導も行っております。骨粗鬆症が気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に「無呼吸(10秒以上呼吸が止まる状態)」が1時間あたり5回以上、または7時間の睡眠中に30回以上発生する場合に診断される病気です。主な症状には、いびき、昼間の強い眠気、熟睡感の欠如、起床時の頭痛などがあります。英語ではSleep Apnea Syndromeと呼ばれ、SASと略されることもあります。
当院では、症状に応じてCPAP装置を使った治療を行っています。 また、マウスピースを使用した治療が必要な場合は、信頼できる近隣の医療機関をご紹介いたします。
てんかんは脳の神経に関わる病気で、精神的な疾患ではありません。多くのてんかんでは、脳の神経に見えない小さな傷があり、そこから異常な信号が発せられて発作が起こり、体の筋肉がけいれんします。てんかんの80%は15歳までに発症し、成長や発達、学校生活、就職、結婚など、医療面以外でもさまざまな問題に向き合う必要があります。こうした要素を総合的に考えることが、てんかん治療の重要なポイントです。
てんかんは、さまざまな原因によって引き起こされる慢性の脳疾患です。大脳ニューロンの過剰な活動により、繰り返し発作(てんかん発作)が生じます。これにより、多様な臨床症状や検査結果が現れます。(出典:WHO「てんかん辞典」)
てんかん治療は、その人に合った薬を適切な量で、規則正しく服用し続けることが重要です。治療には根気が必要で、定期的な診察と検査も欠かせません。
西洋薬だけでは十分な効果が得られない場合、漢方薬を併用することで改善が見られることがあります。漢方治療のポイントは以下の3つです。
近年では、特定の種類のてんかんに対して脳外科的手術が有効な場合もあります。
日常生活では、薬の服用を忘れず、睡眠不足や過度の睡眠を避けることが大切です。また、適度な緊張感を持ち、規則正しい生活を送ることが最も重要です。長期的な治療となるため、一人で悩まず、何か心配なことがあれば医師にご相談ください。
ぜんそくは、主に気管支喘息(きかんしぜんそく)を指し、気管支や気道の粘膜が慢性的に炎症を起こす病気です。これにより、呼吸困難の発作や、ゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴(呼吸時の音)、咳などの症状が現れます。ぜんそくの原因はさまざまで、多くの場合、アレルギー反応が気管支に起こることで発症します。その他、運動や薬剤が引き金となる場合もあります。
ぜんそくの治療は、気管支の炎症を抑えるために、主に吸入ステロイド薬を使用することが一般的です。また、症状が重い場合には、気管支拡張作用のある注射や点滴によって炎症を抑えることもあります。場合によっては、入院して治療を行うこともあります。ぜんそくは子供によく見られる呼吸器疾患ですが、成人でも発症することがあります。ぜんそくの症状が疑われる方は、ぜひ当院にご相談ください。
赤ちゃんは昼夜を問わず頻繁におしっこをしますが、成長とともに膀胱におしっこを溜める力がつき、夜間の排尿回数が減少し、おねしょも徐々に無くなっていきます。ほとんどの子どもは小学校入学前までにおねしょをしなくなりますが、小学校に入ってもおねしょが続く場合、これは「夜尿症」と呼ばれ、専門の医療機関での診察が推奨されます。
夜尿症の主な原因は以下の通りです。
夜尿症は成長とともに自然に改善することが多く、小学校卒業頃にはほとんどの子どもが治りますが、まれに成人になっても続くことがあります。早期の治療は有効であり、専門の医療機関での診察をおすすめします。
当院では、投薬を含むお子様に適した治療を行っていますので、どうぞお早めにご相談ください。
発達障害は、成長過程における脳機能の発達に関連する障害です。主な発達障害には以下の種類があります。
具体的な症状としては、言葉の発達の遅れ、読み書きや計算の極端な苦手さ、不器用さ、興味や関心の偏り、不注意、集中できない、じっとしていられないなど、学習機能や行動面に問題が現れます。
発達障害は、早期に治療を開始することで改善が見込まれると言われています。まずは行動や反応に気を配り、発達障害の兆候を見逃さないことが重要です。たとえば、落ち着きがない、話を聞かない、雷や大きな音が苦手、作業が極端に遅いなど、気になる点があればお気軽にご相談ください。育児や子育てにおける親の困難を科学的に対応する方法の研究も、治療に役立てています。
発達障害は、障害の程度、年齢、生活環境によって症状が異なり、複数の障害が重なることもあります。治療では、まず対話や行動の観察を通じて原因や問題点を明らかにし、行動療法を用いて学習やコミュニケーションのトレーニングを行います。これにより、社会性やコミュニケーション能力を養い、自立へ向けた療育を進めていきます。
また、必要に応じて、漢方薬や西洋薬を用いたり、発作が見られる場合には抗てんかん薬を使用することもあります。治療期間は症状の重さにより異なりますが、数か月から数年かかる場合もあります。
漢方医学は、古代中国から伝わり、日本で独自に発展した伝統医学です。紀元5~6世紀頃、朝鮮半島を経由して中国から日本に伝わり、約1500年にわたって日本で独自の進化を遂げました。原型は紀元2世紀、後漢時代に成立したとされ、『傷寒論』では急性熱性疾患の治療、『金匱要略』では慢性疾患の治療が論じられています。日本でも有名な葛根湯(かっこんとう)も『傷寒論』に記載されています。
現在、漢方は主に漢方薬による治療を指しますが、本来は鍼灸や按摩、食養生なども含む幅広い治療法を指します。
西洋医学では、まず病態を診断し、病名を確定した後に治療が行われます。一方で漢方医学では、患者さんの体調や症状に基づいて適切な処方を決定し、治療を開始します。このため、西洋医学では診断がつかず治療が難しいケースでも、漢方の視点からアプローチすることで、簡単な処方で症状が改善することがあります。また、治療の糸口を見つけやすいこともあります。
西洋医学では異常が見つからないケースでも、漢方医学は患者の自覚症状を重視し、その改善を目標としています。最終的には、患者が元気で快適な日常生活を取り戻せることを目指しています。
漢方では、以下の「四診」を通じて最適な処方を決定します。
望診 | 患者の表情や行動、顔色、舌の状態、姿勢などを観察する。 |
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聞診 | 声の大きさや音、体臭などを確認する。 |
問診 | 症状や日常の体質を聞き取る。体調、頭痛、排便、飲食、耳や口の状態などを尋ねる。 |
切診 | 脈診や体を触診して症状を確認する。 |
冷え | 漢方薬には体を温める効果がある薬があり、手足の冷えや腰痛、鼻水などを改善します。 |
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腹満(お腹の張り) | 便秘がないのにお腹が張る場合、漢方薬が効果を発揮します。 |
風邪 | 漢方薬は症状に応じて、寒気や関節痛、汗をかく風邪などに効果的です。 |
下痢 | 長引く下痢や便秘と下痢を繰り返す場合に漢方薬をおすすめします。 |
咳 | 冷えやストレスで咳が出る場合も、漢方が効果的です。 |
乾燥肌 | 寒い季節の乾燥肌やアトピーに対して、漢方薬が有効です。 |
痛み | 冷えやむくみが伴う痛みには、漢方薬が効果を発揮します。 |
めまい | 漢方では体内の水分バランスを整えることで、めまいの改善を目指します。 |
表裏(ひょうり) | 病気の位置が体表(皮膚や筋肉)か内臓かを診断する考え方。 |
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寒熱(かんねつ) | 寒さを感じる症状を寒、熱さやほてりを感じる症状を熱とし、それぞれに応じた治療を行います。 |
実虚(じっきょ) | 病邪に対する体力の強弱を表す概念。体力が不足している状態を虚、十分に戦える状態を実とします。 |
気・血・水(き・けつ・すい) | 生命力やエネルギーを表し、これらのバランスが崩れると病気になるとされています。 |
瘀血(おけつ) | 血液の滞留による症状を指し、月経異常や打ち身などが含まれます。 |
水毒(すいどく) | 体内の水分が偏ることで起こる病気で、めまいや耳鳴りが症状です。 |
気虚(ききょ) | 気(エネルギー)が不足した状態で、ストレスや感情によって影響を受けやすいです。 |
未病を治す | 病気になる前の不調を改善し、健康を維持するという予防医学の考え方です。 |
瞑眩(めんげん) | 漢方薬を服用後、一時的に症状が悪化することがあり、その後症状が改善することがあります。激しい場合は医師にご相談ください。 |
「いつまでも若く美しくありたい」という気持ちは、健康で活力ある生活を送るための大きな力となります。現代の医学は、病気の治療や予防に加え、さらに健康を増進させる方向へと進化しています。その一つがアンチエイジングです。若さを保つことは、加齢に伴うさまざまな病気の予防にもつながる可能性があります。
当院のアンチエイジング外来では、加齢による症状の予防や軽減をサポートし、皆様が健やかに過ごせるようお手伝いをいたします。
EDやダイエット、シミ・そばかす、ニキビなど、お悩みのことがあればお気軽に当院へご相談ください。
当院では、痛みの診断および治療を行っています。西洋薬や漢方、トリガーポイント療法、鍼灸、神経ブロック、AKA(関節運動学的アプローチ)、心理療法など、多角的なアプローチを用いた総合的な治療を提供します。
腰痛、捻挫、頭痛、寝違えなど、急性の痛みの症状に対して、症状を緩和するための適切な治療を行います。
慢性的な腰痛、肩こり、全身の痛み、がん性疼痛などの緩和治療も行っています。これらに加え、心理的な要因が関与する場合には、抗うつ薬や抗不安薬などを用いた治療が必要になることもあります。